中途採用した人材がすぐに辞める理由と対策
コロナ禍が続く中、中小企業にとっては人手不足の問題は深刻化していると聞きます。
リクナビやマイナビなど高額な求人サイトに広告を出したり、採用サイトを制作したり、事務所の扉に求人募集のチラシを貼ったり、どの会社も採用活動には積極的です。
ところが中途採用は、3人に1人は3年以内に辞めてしまうと言われ、どの会社も離職率の高さには頭を悩ませているとか。
そこで今回は、中途採用した人材がすぐに辞めてしまう理由と対策について考えてみたいと思います。
【著者プロフィール】
株式会社アクセスアップ/富井清和
1998年東京都千代田区でITベンチャーを起業。金融機関・放送局・大手電機メーカーを含む約1,500社にも及ぶWebシステム開発に携わる。主にSEO対策を目的としたコンテンツ作りとページ構成を得意とする。
日頃の業務のかたわらで、船井総研との共同セミナー講師、東京税理士会や杉並区中小企業診断士会への技術研修。杉並区商工会議所や武蔵野青年会議所等でセミナー講師を務めホームページの集客方法について語っている。
早期の離職は会社に大きなダメージを与える
求人募集を行う時は、人手不足が深刻化している状態です。ですから、採用コストよりも応募者を集めることに重点がおかれます。
しかし大きく広告費をかけて募集したところで、すぐに退職してしまったらどうでしょうか。
たちまち採用コストがかかってしまうだけでなく、人手不足が解決できず既存社員の負担が増えるだけで会社に大きなダメージを与えてしまいます。
定着率を上げる対策を取ることは、会社継続に影響する重大な課題と言えます。
定着率が悪い一番の原因は人間関係?
定着率が悪い一番の原因は、同じ職場で働く先輩や同僚、また経営者との人間関係に問題があるそうです。
- 「上司と話が合わない」
- 「会社の雰囲気が暗い」
- 「社長が超ワンマン体質」
など一般的にコミュニケーションエラーによるストレス問題が挙げられると考えられています。
中には業務に支障が出なければ人間関係なんて関係ないとと割り切れる人もいますが、大半の人はそういうわけにも行かず風通しが良く雰囲気の明るい会社で働きたいと思っているようです。
セラピストのホームページを制作した際には、この人間関係の問題の多さと深刻さには驚いたものです。
相談内容を見ると、働く人同士が積極的に交流できる環境が必要だと言うことがわかりますね。
会社が中途入社を即戦力と考えているから!
このブログを書いている最中に見たある転職サイトの調査結果では、「定着率の悪い会社ほど“中途入社=即戦力”と考えている」ことがわかったとありました。
大半の中小企業では、人材を育てる余裕などなく、できればすぐに現場で活躍して欲しい!と考えているのは当然のことだと思います。しかし、あまり期待しすぎるのも問題があるようです。
そもそも職場が変わっても新しい仕事への適応力が高い人材など、一般の求人募集で応募してくることなど考えられません。ヘッドハンティングされるか勤めている会社に引き留められて退職しない可能性が高いのですから。
中途で入社したばかりの人材にプレッシャーを感じ過ぎないようにしないといけません。
プロ野球でもソフトバンクや巨人のように強いチームは、育成契約の選手が大勢いて、選手を育てる環境と制度が整っています。
そこまで準備する必要はないにしても、新しい職場で一人で仕事を回せるようになるにはある程度の時間は見てあげないとダメでしょうね。
中途に効果的な採用サイトのコンテンツとは
採用サイトとは、コンテンツの量に制限なく自由に情報を掲載できる自社専用のホームページです。
定着率が低い原因は、ホームページには無かった内容と入社後に判明した事実とのミスマッチが多いことが考えられると言われ、それを防ぐ目的で情報量満載のホームページを作るというのが最近のトレンドです。
応募者にとって転職とは、人生にとって重大な決断です。
新卒採用の場合なら会社説明会があり、会社のことを十分理解した上で応募できますが、中途採用では説明会という工程が無く、求人広告の限られた枠内の情報だけでは足らなさ過ぎるのです。
ですから中途採用に積極的な企業は、充実したコンテンツを持てる採用サイトを作っています。
【採用サイトのコンテンツ例】
- 先輩社員の声
- キャリア紹介
- オフィスの紹介
- 代表のメッセージ
- 上司の紹介
- 社員ブログ
このように、写真や動画を使って会社らしさが伝わるコンテンツを用意すると、深く自社を知ってもらえるでしょう。
入社後のケアも重要
すぐに辞めることを防ぐには、応募時の情報量も大事ですが、入社後のケアも同じぐらい重要になります。
経営者や上司とのコミュニケーション機会を増やすことはとても効果的だと言われています。
これは私の友人の例ですが、せっかく採用が決まり暫らくして体調不良で会社を休んだ際、「病院で診断書をもらうように!」とサラッと言われ、その時は5000円の自腹を切り診断書を用意したそうですが....、その後、直ぐにその会社は辞めてしまいました。
この話を聞いた時は、なんて愛のない会社なんだと思ったものでした。
割と神経質な性格の友人は、結構無理してまじめに働いていたのに。そんな苦労も知らずに、形式ばって「診断書」って言うのが愛がないなぁ~と思いました。
職場で自分の居場所ができるまでは、会社がケアしてあげるのも大事だと思うのです。
さいごに
如何でしたか? 今日は、中途採用の離職に焦点を当て、離職する理由と対策についてお話しました。
今、人手不足は一部の業種ではなく中小企業全体で大きな問題になっています。
会社規模が小さいほどこの問題は深刻で、また大きい会社ほど求人広告を増加させているとか。
可能なら外国人やシニア世代に採用枠を広げるなど、条件を見直してみる必要もあるかもしれません。
いずれにしても経営者にとってはナーバスな問題です。
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