リターゲティング広告には必須!Cookie同意バナー
最近いろんなホームページで「Cookieの取得と同意をお願いします」といったバナーが表示されるようになっています。
これは通称「Cookie同意バナー」と呼ばれ、ヨーロッパEU圏でのデータ保護に関連した法律(GDPR:EU一般データ保護規則)に基づく表示で、アクセスしたホームページの情報を一時的に端末に保存することを受け入れるかどうかを選べるようにしているものです。
通常インターネット上では、アクセスしたホームページからユーザーの端末にCookieと呼ばれる識別子を保存し、それを元にアクセスした日時や回数どさまざま情報を記録しています。
しかし、最近ではこのCookieについての規制が厳格化されたことで「ユーザーの同意を得る」といったステップを実装するホームページが増えているのです。
そこで今日は、この「Cookie同意バナー」の実装が必要なケースについてお話したいと思います。
【著者プロフィール】
株式会社アクセスアップ/富井清和
1998年東京都千代田区でITベンチャーを起業。金融機関・放送局・大手電機メーカーを含む約1,500社にも及ぶWebシステム開発に携わる。主にSEO対策を目的としたコンテンツ作りとページ構成を得意とする。
日頃の業務のかたわらで、船井総研との共同セミナー講師、東京税理士会や杉並区中小企業診断士会への技術研修。杉並区商工会議所や武蔵野青年会議所等でセミナー講師を務めホームページの集客方法について語っている。
事の発端は「リクナビ」が起こした事件
個人情報保護法がこの4月から厳格化されたのはある事件が発端になったと言われています。
それは、TVのコマーシャルで有名な就職情報サイト「リクナビ」が起こした有名な事件。
内容は「就活生が見たリクナビの閲覧履歴から内定辞退の指標を算出し、その情報を第三者へ販売していた」というものでした。
リクナビは、学生から同意を得ることなくサーバーからCookieを端末に発行し、集めた情報を第三者に提供することで、他の情報と組み合わせて特定の個人と識別できたとされ、大きな問題になりました。
Cookieとは?
そもそもCookieとは、ホームページにアクセスしたユーザーに関する情報を記録・保存し、次回に利用する技術の総称です。
ホームページを見ただけでサーバーからユーザーの端末にテキスト情報を保存し、特定のページに再びアクセスしたことを伝えるのです。
例えば、インスタグラムに一度ログインしてしまえば、同じスマホからなら再度ID/PWを入力せずにログインできるのもCookieがあるためです。また、Googleにログインしてしまえば、自分の興味・関心に合った広告が表示されるというのも同じ。さらに、ショッピングサイトで買い物をしている途中でログアウトしてとしても、もう一度ログインした場合にカートの中身がそのまま残っているというのもこのCookieがあるためです。
一度ホームページにアクセスすると自動的にCookieが端末に保存され、もう一度アクセスした際に同じ情報を入力する手間を省くことができるのです。
Cookieの種類
Cookieには、「ファーストパーティCookie」と「セカンドパーティCookie」。さらに「サードパーティーCookie」の3種類が存在します。
- 「ファーストパーティCookie」は、自社ホームページ内で発行されたCookie。
- 「セカンドパーティCookie」は、アクセスしたホームページ内でそのホームページ以外の場所から発行されるCookie。
- 「サードパーティーCookie」は、アクセスしたホームページ内でそのホームページ以外の場所から発行されるCookie。
このように種類が分かれています。
この3つの中でも「サードパーティーCookie」は広告出稿時によく使用され、成約に至った端末がホームページとは別の「広告を運用するサーバーから発行されたCookie」を所持しているか否かで、広告経由かどうかを判断するために使用されています。
この「サードパーティーCookie」が個人情報保護法の厳格化により徐々に廃止される動きがあり、広告の出稿を計画している場合には最新情報を追う必要があります。
日本で同意が必要な企業とは?
「Cookie同意バナー」は、以前の個人情報保護法では義務化されていませんでした。
しかし、この4月に改正された個人情報保護法では、「リクナビ事件」のように取得したCookie情報を第三者に提供することによって個人が特定できる場合には、同意の確認を義務付けるとなりました。つまり「サードパーティーCookie」の規制が進んでいるのです。
ですから「サードパーティーCookie」を利用する「リターゲティング広告(1度ホームページにアクセスしたユーザーを、離脱後も追跡する広告)」を出稿する場合には、「Cookie同意バナー」を実装するようにしましょう。
併せてプライバシーポリシーの見直しも必要です。
また「Cookie同意バナー」を実装しておけば、EU圏など海外向けにビジネスをする際にも法律を遵守できるので安心です。
さいごに
如何でしたか?
今日は、今注目の「Cookie同意バナー」についてお話ししました。
今のところは、「サードパーティーCookie」を利用する「リターゲティング広告」を出稿している場合には必ず実装しておきましょう!ということだけは断言できます。
いずれにしても個人情報保護に関する法改正が進み、取り扱いに関する規制は厳格化されています。
このタイミングで皆さんのホームページにあるプライバシーポリシーを見直てみてはいかがでしょうか。
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